ニュースリリース
クルマ・技術
第63回 自動車技術会賞の受賞について
マツダ株式会社(以下、マツダ)の研究者は、このたび、第63回自動車技術会賞において、社団法人自動車技術会*1より「論文賞」を1件、「技術開発賞」を2件、「浅原賞技術功労賞」を1件受賞しました。自動車技術会賞は1951年に自動車工学および自動車技術の向上発展の奨励を目的に設けられ、自動車技術における多大な貢献・功績を認められた個人に贈られるものです。授賞式は5月23日(木)にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で行われる予定で、各受賞の概要は以下のとおりです。
■論文賞
論文賞は、自動車技術に関係ある優れた論文を発表した個人およびその共著者に送られる賞です。今回の受賞では、低温酸化反応*2を利用した急速燃焼技術などにより高圧縮比下でもノッキング(異常燃焼)を回避できる新しい燃焼方式を考案し、燃焼室形状、噴霧形状、点火系の最適化を図ることで、高効率な高圧縮比ガソリンエンジン「SKYACTIV-G(スカイアクティブ ジー)」*3を実用化した点などが評価されました。
■技術開発賞(1件目)
技術開発賞は、自動車技術の発展に役立つ新製品または新技術を開発した個人およびその共同開発者に送られる賞です。今回の受賞では、電子回路の小改良のみで減速エネルギーの回生能力を約2倍に高めたオルタネーターと、瞬時に大きなエネルギーを蓄えられる低抵抗かつ小型の電気二重層キャパシターを組み合わせることで、ハイブリッド車のような複雑な電動システムを用いずにエンジン車のエネルギー効率を高められる減速エネルギー回生システム「i-ELOOP(アイ・イーループ)」*4を実用化した点などが評価されました。
■技術開発賞(2件目)
今回の受賞では、成形過程(金型内での流動・固化)で特段の操作をすることなく、材料の成分が適正に分離され、スキン層に塗装性と生産性、コア層に耐衝撃性に適した成分が自己組織化される独自のプラスチック材料*5を新開発することで、従来比で約20%軽い世界最薄クラス*6(2.0mm)のバンパーを、従来の約半分の成形時間で量産化した点などが評価されました。
■浅原賞技術功労賞
浅原賞技術功労賞は、永年自動車技術の進歩向上に努力した功労が大きく、かつ、その業績が世にあまり知られていない個人に送られる賞です。今回の受賞では、永年にわたり自動車部品、特にエンジン用ボルトの締結技術の開発と工業化に従事し、シリンダーヘッドの塑性域*7締め付けボルトの開発による信頼性の向上や、主軸(クランクシャフト)受けボルトの締め付け制御技術の高精度化による燃費性能・騒音性能の改善などにより、国内外の技術進歩に大きく貢献した点などが評価されました。
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